この病気は1672年に英国の医師(トーマス・ウィリス)に最初に記載され、1945年にスウェーデンのエクボムによりrestless legs syndrome(RLS;レストレスレッグズ症候群)として疾患概念がまとめられました。
欧米では5~10%と報告され、女性が男性の1.5~2倍多いといわれています。 日本の詳細な報告は少ないが、3.3~4.6%と推測されています。お隣の韓国では7.5%(RLSが明らかな患者さんが3.9%、PLSの疑いが濃厚な患者さんが3.6%)と報告されている(Cho YM他、2008)。
小児から高齢者と幅広く認められますが、平均年齢20.9歳と49.2歳と2つの大きなピークがあります。また、36才以下の方では家族にもむずむず脚症候群の方が認められることが多いと報告されています(Whittomら、2007)。
�’焼發涼�蔵鉄(フェリチン)欠乏 脳内の貯蔵鉄は一般的には測定できませんが、血清フェリチンが20μg/L以下ではRLSが問題になります。治療は血清フェリチンが50μg/Lになるまで鉄剤を補充します。 ��脳幹部のドパミン神経系の機能的異常 ドパミン作動薬でRLS症状が改善することがドパミン神経系に問題があると考えられています。動物モデルではドパミン神経核で、間脳後部にあり視床下部と背髄後角に神経線維を投射しているA11神経の関与が指摘されています。また、脳内の貯蔵鉄減少がドパミン神経に影響を与えて入るとする「鉄−ドパミン仮説」も提唱されています。
特発性(原因不明)と二次性(原因あるいは病態がわかっている状態)があります。二次性としては、 �� 腎障害(特に透析を行なっている患者さん) �� 鉄欠乏性貧血及び貧血のない貯蔵鉄欠乏症 �� 神経障害 �� パーキンソン病(約20%に合併)・多系統萎縮症 �� 妊娠(妊娠後半では約20%に合併、葉酸不足が関係?) �� その他
●4つの必須診断基準 �� 脚を動かしたいという強い欲求が不快な下肢の異常感覚に伴って、あるいは異常感覚が原因となって起こる(下肢の動かしたくなるような異常感覚の存在) �� その異常感覚が、安静にして、静かに横になったり座ったりしている状態で始まる、あるいは増悪する(安静による悪化) �� その異常感覚は運動によって改善する(運動による改善) �� その異常感覚が日中より夕方・夜間に増悪する(日内リズムの存在) ●診断を補助する3つの特徴 �� レストレスレッグズ症候群の家族歴がある �� ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)が不快感の軽減効果をもつ �� 睡眠時あるいは覚醒時に周期性四肢運動(periodic limb(leg) movement: PLMs)が見られる(RLSの80‐85%に見られる) ●レストレスレッグズ症候群に特化した検査手法 Suggested immobilization test(SIT) カナダの研究者により開発された検査です。夜間睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)での睡眠記録を開始する前に行なう検査で、むずむず脚症候群の感覚異常と運動症状の評価に特化した検査です。 PSG検査のセンサーを装着した状態で、むずむず症状が出やすい21時頃より行います。下肢を進展した状態で座椅子に座り、起きた状態で脚が動かないように座り続けます。5分間隔で1時間にわたって不快感の評価を行なうと同時に、下肢の異常運動(PLM)の程度を比較して、むずむず脚症候群の診断に役立てるものです。
●非薬物療法 �� 刺激物(カフェイン、ニコチン、アルコール)を避ける �� RLSを悪化させる薬(抗うつ剤、抗精神病薬、抗ヒスタミン剤、リチウムなど)に注意する �� 入眠前に、入浴、歩行、運動、下肢のマッサージ、ストレッチなどを行なう �� 湿布、カイロなどを使用する �� 可能であれば、夜遅くに寝る(経験的には午前2時頃には症状が治まる人が多く、昼寝では下肢の不快な症状はでない人が多い) ●薬物療法 �� 鉄剤の補充:血清フェリチンが50μg/L以下の時には、50μg/L以上になるように投与を行なう。 �� ドパミン作動薬(ドパミンアゴニスト)による治療(2009/1現在、健康保険適用ではありません。一部の薬剤では治験が完了しています。) 使用は最小用量あるいは最小用量の半分から開始する。薬剤効果の発現の関係で就寝1‐2時間前に服用する。効果は一晩の使用で認められることが多い。 通常は非麦角系ドパミンアゴニストを使用するが、突発的な眠気に注意する。また、麦角系ドパミンアゴニストは心臓弁膜症や胸膜・肺線維症、心肺後腹膜線維症の副作用に注意する。 �� ベンゾジアゼピン系 RLSの症状が軽い場合には入眠補助薬として睡眠導入剤で対応 RLSの症状が強かったり、不眠が強かったり、ドパミンアゴニストの効果がないときにはクロナゼパムが使用される(持ち越し効果によるふらつきや無呼吸症候群の悪化に注意) �� オピオイド系薬剤 痛みを伴うRLSに有効と報告されているが、薬剤管理の問題もあり、日本ではあまり使用されていない。
この病気は1672年に英国の医師(トーマス・ウィリス)に最初に記載され、1945年にスウェーデンのエクボムによりrestless legs syndrome(RLS;レストレスレッグズ症候群)として疾患概念がまとめられました。
欧米では5~10%と報告され、女性が男性の1.5~2倍多いといわれています。
日本の詳細な報告は少ないが、3.3~4.6%と推測されています。お隣の韓国では7.5%(RLSが明らかな患者さんが3.9%、PLSの疑いが濃厚な患者さんが3.6%)と報告されている(Cho YM他、2008)。
小児から高齢者と幅広く認められますが、平均年齢20.9歳と49.2歳と2つの大きなピークがあります。また、36才以下の方では家族にもむずむず脚症候群の方が認められることが多いと報告されています(Whittomら、2007)。
�’焼發涼�蔵鉄(フェリチン)欠乏
脳内の貯蔵鉄は一般的には測定できませんが、血清フェリチンが20μg/L以下ではRLSが問題になります。治療は血清フェリチンが50μg/Lになるまで鉄剤を補充します。
��脳幹部のドパミン神経系の機能的異常
ドパミン作動薬でRLS症状が改善することがドパミン神経系に問題があると考えられています。動物モデルではドパミン神経核で、間脳後部にあり視床下部と背髄後角に神経線維を投射しているA11神経の関与が指摘されています。また、脳内の貯蔵鉄減少がドパミン神経に影響を与えて入るとする「鉄−ドパミン仮説」も提唱されています。
延髄から中脳にかけて、多くの脳内ホルモンと呼ばれる神経伝達物質を作り出す神経集団があり、これらの脳内ホルモンは無髄神経系で脳や背髄に運ばれている。脳内ホルモンはそれぞれの役割があり、ドパミン(快楽を伝える、細かい運動をコントロールする、末梢からの神経情報の調節)、アドレナリン(恐怖を伝える)、ノルアドレナリン(怒りと覚せい)、セロトニン(心を穏やかにする物質、心と体の元気を演出する)などがあり、感情や食欲、性欲、睡眠欲、自律神経、下垂体ホルモンなどをコントロールしている。
延髄から中脳にかけての神経細胞集団は分泌する神経伝達物質により、A群、B群、C群にグループ分類されている。A群では、A1~A7でノルアドレナリンを分泌し、A8~A16ではドパミンを産生する(最初に分類されたときにはノルアドレナリンとドパミンは区別できなかったので、まとめてA群とされた)。また、C群(C1~3)はアドレナリンを産生する。B群(B1~9)はセロトニンを分泌し、A群やC群のホルモンの分泌を抑制している。
この中で、「A6神経核」は青斑核と呼ばれ、「怒りの中枢」である。一方、「A10神経核」は人間だけが持っている快感や幸福感と関係しており、「恋は盲目なり」に関与する。「A8神経核」および「A9神経核」の障害が、パーキンソン病に関連している黒質線状体を形成する神経細胞である。
「A11神経核」は、神経突起を視床下部や背髄にまで伸ばしており、脊髄視床路とよばれ、ドパミンを神経伝達物質として末梢と中枢の情報処理に関与している細胞集団であると考えられている。従って、A11細胞野神経突起でのドパミンが障害されると、下肢の不快感をコントロールできず、むずむず感が感知されることが推測されている。
などが考えられています。
特発性(原因不明)と二次性(原因あるいは病態がわかっている状態)があります。二次性としては、
�� 腎障害(特に透析を行なっている患者さん)
�� 鉄欠乏性貧血及び貧血のない貯蔵鉄欠乏症
�� 神経障害
�� パーキンソン病(約20%に合併)・多系統萎縮症
�� 妊娠(妊娠後半では約20%に合併、葉酸不足が関係?)
�� その他
●4つの必須診断基準
�� 脚を動かしたいという強い欲求が不快な下肢の異常感覚に伴って、あるいは異常感覚が原因となって起こる(下肢の動かしたくなるような異常感覚の存在)
�� その異常感覚が、安静にして、静かに横になったり座ったりしている状態で始まる、あるいは増悪する(安静による悪化)
�� その異常感覚は運動によって改善する(運動による改善)
�� その異常感覚が日中より夕方・夜間に増悪する(日内リズムの存在)
●診断を補助する3つの特徴
�� レストレスレッグズ症候群の家族歴がある
�� ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)が不快感の軽減効果をもつ
�� 睡眠時あるいは覚醒時に周期性四肢運動(periodic limb(leg) movement: PLMs)が見られる(RLSの80‐85%に見られる)
●レストレスレッグズ症候群に特化した検査手法
Suggested immobilization test(SIT)
カナダの研究者により開発された検査です。夜間睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)での睡眠記録を開始する前に行なう検査で、むずむず脚症候群の感覚異常と運動症状の評価に特化した検査です。
PSG検査のセンサーを装着した状態で、むずむず症状が出やすい21時頃より行います。下肢を進展した状態で座椅子に座り、起きた状態で脚が動かないように座り続けます。5分間隔で1時間にわたって不快感の評価を行なうと同時に、下肢の異常運動(PLM)の程度を比較して、むずむず脚症候群の診断に役立てるものです。
●非薬物療法
●薬物療法
�� 刺激物(カフェイン、ニコチン、アルコール)を避ける
�� RLSを悪化させる薬(抗うつ剤、抗精神病薬、抗ヒスタミン剤、リチウムなど)に注意する
�� 入眠前に、入浴、歩行、運動、下肢のマッサージ、ストレッチなどを行なう
�� 湿布、カイロなどを使用する
�� 可能であれば、夜遅くに寝る(経験的には午前2時頃には症状が治まる人が多く、昼寝では下肢の不快な症状はでない人が多い)
�� 鉄剤の補充:血清フェリチンが50μg/L以下の時には、50μg/L以上になるように投与を行なう。
�� ドパミン作動薬(ドパミンアゴニスト)による治療(2009/1現在、健康保険適用ではありません。一部の薬剤では治験が完了しています。) 使用は最小用量あるいは最小用量の半分から開始する。薬剤効果の発現の関係で就寝1‐2時間前に服用する。効果は一晩の使用で認められることが多い。
通常は非麦角系ドパミンアゴニストを使用するが、突発的な眠気に注意する。また、麦角系ドパミンアゴニストは心臓弁膜症や胸膜・肺線維症、心肺後腹膜線維症の副作用に注意する。
�� ベンゾジアゼピン系
RLSの症状が軽い場合には入眠補助薬として睡眠導入剤で対応
RLSの症状が強かったり、不眠が強かったり、ドパミンアゴニストの効果がないときにはクロナゼパムが使用される(持ち越し効果によるふらつきや無呼吸症候群の悪化に注意)
�� オピオイド系薬剤
痛みを伴うRLSに有効と報告されているが、薬剤管理の問題もあり、日本ではあまり使用されていない。